あったらいいなこんな日常


「おなかすいた…」
あたしはそんなことをつぶやきながらただボーっとしていた。
今日はプッチの新曲のジャケット撮影。
でもごっちんと圭ちゃんの2人は遅れるみたいで衣装を着たまま控え室で待ちの状態だ。
撮影終わったら3人でなんか食べにいこっかな…
何がいいかな?なんて考えてみる。
でもどうせなら…あの人と…
 最近、あたしの心の中に芽生えた想い。
 気が付くとあの人のことを考えている…
 これはたぶん「恋」なんだろう。
 「たぶん」なのは相手が「女の人」だから…
 ちっちゃくって、でもいつも元気で、そんなかわいい人。
あたしの空想の旅は軽いノックで中断された。
「おーす、よっすぃー!起きてる〜」
ドアからぴょこっと見える顔はあたしの空想の中の人と同じ顔だった。
「あっ、矢口さん。起きてますよ〜」
 う〜緊張する…
「どしたーなんか元気ないじゃん。」
「ちょっとおなかすいてて…」
と言うとなぜか矢口さんは嬉しそうに微笑みながら隣に座った。
「我ながらグッドタイミング!はい、差し入れ。」
差し出した紙袋の中には…
「実はさー、スタッフさんにおいしいベーグルサンドもらってさ、
 ベーグルと言えばやっぱよっすぃーでしょ。
 ちょうど待ち時間だって聞いたから一緒に食べようと思って持ってきたんだ。」
ちょっと照れながら話す矢口さん。うっ…かわいい…
お茶入れて2人並んで他愛も無い話をしながら食べてたら、
ふと矢口さんはあたしをじっと見ながらこう言った。
「髪の毛ただおろすだけで印象ぜんぜんちがうね。
 うん、こないだのかっけーよっすぃーもいいけどかわいいのもいいねぇ。」
 自分の顔が赤くなっていくのがわかる。
「あたしが男だったら絶対ほっとかないね。こんなかわいい子。」
「や・・・照れるじゃないですか・・・」
「照れないのっ・・・もうけっこう伸びたねー」
そういいながらあたしの髪を触ってる・・・
気が付いたら矢口さんの顔が目の前に・・・
ドクン・・・鼓動が早くなる・・・
あたしの視線は唇にくぎ付けになる・・・
やばい・・・と、とまんないかも・・・
今まさに動き出そうとしたその時
バンッと乱暴にドアが開いて、
「めっけたで!」
「やぐちさん、らめじゃないれすか。そのベーグルはミニモニ。みんなのものれすよ。」
「リーダーがヌケガケしちゃイケマセン!」
「・・・あいぼん、のの、それにミカちゃん・・・」
「まずいっ。逃げるよ、よっすぃー」
突然の出来事にあっけに取られてるあたしの手を取り立ち上がる矢口さん。
でも狭い控え室のこと…逃げ場があるわけはなく、
「食いもんの恨みはおそろしいんやでぇ〜」
「たのしみにしてたのに…グスッ(泣)」
お子さま2名の猛攻撃…
(結局、今度ご飯をおごるという約束をさせられてしまった…)
「そういえばヤグチさん、もう撮影再開するって言ってましたヨ。」
「そーれす。それをおしえるためにさがしてたのれす。」
「あかんな〜ふたりとも。そ〜いうことははよいわんと」
ついでの用事みたいに仕事の話をする3人。
「ってそういうことは先に言うの!」
3人を急かしつつ矢口さんは
ひょいっとわたしの耳に手を当てて
「続きはまた今度してね。」
って言うと軽くウインクして行ってしまった。
 あっちゃ〜…ばれてたか…
 でも…続きって…
 ひとりで照れるあたし…
 なんだかうれしい午後のひとときがゆっくりと過ぎていく。

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