恋というシロモノ

私、ののこと辻希美には２つのお悩みがあるんです。
１つは食べすぎ。これはみんなに言われてます。
辻も困ってんですね～。だっておいしんだモン♪

あるドラマ番組の収録の日のこと・・・・・
「わぉ♪楽屋広っーーい！！！」
「つまんない番組だから来たくなかったけど、来て良かったワァ！ね～のんのん！」
私達（辻・加護）はいつも通りハシャギまくってましたね。
「うるさーい！辻！！加護っ！」
リーダー（飯田さん）の声もいつも通り響いてました。でも、私は本当はこの仕事、気乗りがしなかったのですねー。
なぜなら、主役があいぼんと、梨華ちゃんの２人だったから・・・・。

私の２つ目の悩み。
・・・私、最近変なんです。
今まで、普通に梨華ちゃんと会話していたつもりなのに、ここ最近は急に顔がボーーーッって熱くなって真っ赤になって、声は上手く出せずにしゃべれないし～！
おまけに梨華ちゃんが他の人と話してるとどうしようもない思いが込み上げて来る・・・・・。
悩みです。

私は梨華ちゃんの従姉妹という設定で出るんです。でも、梨華ちゃんと交わせるセリフは２～３回くらいしかないんです・・・。ちょっぴり寂しい。
私の役目も前半部分で終了なので、後半からは見学ってことになるわけで・・・・。隅っこで見てるのは結構寂しいものがあるんですよね。
でも結構楽しいですよ。

ところが・・・・・後半、亜依と梨華のケンカシーン。
亜「もう嫌なの！あなたは私が転校しようがどこへ行こうがドウでも良いんでしょ？！」
梨「何で??何で解ってくれないの？私の気持ち・・・！私は・・・わたしは・・・・」
亜「解ってないのはそっちだよ！私は瑞希（梨華役）のこと大好きなのにさ・・・！」
その瞬間、梨華はやさしく亜依を抱きしめた・・・・。
梨「私も、彩（亜依役）の事大好きだよー・・・。この世で１番大切なんだよ・・・。」

私は心に何かが刺さった。ズキズキズキ・・・痛みが止まらない・・・・・そして涙が出た。
私はきっと、梨華ちゃんが好きなんだ・・・・。　知らなかったな・・・私にこんな嫉妬心があったなんてぇ～！

ドラマ撮影終了。短いドラマだから１日で撮影は終わった。終わったと同時に私の顔は不安と焦りでゆがみまくっていました。
涙が、今までで１番しょっぱかった・・・・。
私はだれとも顔を合わせたくなかったから、全力疾走でその収録場を後にして、外へ行ったんです。
「あれ～？ののはー？」
リーダーの声が遠くの方でする。
「いないねー、悪いけど梨華ちゃん。外の方見てきてくれない??」
「はぁい」
うそ！？梨華ちゃんが来る？！
あたふたしながら仕方なく寝るフリをすることにしました。
「あ、いた・・・。」
「ＺＺＺZZZZｚzz・・・」
「あ～あ、寝ちゃってる・・・風邪ひくよぅ。・・・あれ、泣いてるの・・・？」
「・・・・・・・りかっちゃあん～」
「ののぉ！どしたの・・・？？」

・・・・どしたのって言われても・・・。『あなたとあいぼんが抱き合ってるの見て腹立って泣いてるの。』なーんていえないしなぁ・・・。
「う～ん・・・・・・・・・・・おっ！元気ない時にするおまじない・・・・やってあげよっか？」
「う、・・・・うん・・・。」
なんだろう？？
「はいっ、まずこの私の手のひらをご覧くださ～い♪」
「？」
「そんで、そのまま目をつぶってください・・・」
「？？？」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「梨・・・・華ちゃ・・ん。これはー・・・・？！」
「元気でたでしょ？リカっちのキッス☆」
「へへ・・・ありがとぉ！」
あ
私は今でもこの一瞬を忘れてないです。私は１つ、悩みが解決したかもしれませんねぇ～。
もしくは、悩みがもう１つ増えたかも・・・・・
『あのキスはどんな意味があったんだろ？』ってね♪